集中投資リスク

基礎からの集中投資(5):集中投資で避けるべきリスク! 利益の低下リスクと信用リスクを回避する!

基礎からの集中投資(4)にて、株式投資全般に関するリスクへの対応を説明しました。

その中で特に、集中投資で避けるべき、将来の利益が予想よりも下がるリスクや、企業の倒産などの信用リスクにどのように対応するかは、投資成績に大きな影響を与えます。ここでは、これらのリスクに対する対応方法について詳しく説明します。

集中投資リスク

将来の利益が予想より下がるリスクへの対応方法

投資において、将来の利益が予想よりも下がるリスクは避けられないものです。これに対する効果的な対策を講じることが、長期的な成功に繋がります。

強固なブランド力や、独占的地位を持つ企業を選ぶ

将来の利益が予想より下がるリスクを軽減するためには、景気の振れに強い企業を選ぶことが重要です。ブランド力が強く、独占的な市場ポジションを持つ企業は、景気の影響を受けても比較的安定した収益を上げることができます。例えば、消費財やライフライン業種の企業は、景気が悪化しても需要があるため、安定した業績を維持しやすいです。

ROIC(投下資本利益率)が高い企業を選ぶ

また、企業のROIC(投下資本利益率)が高い企業を選ぶこともリスク管理において非常に重要です。ROICは、企業がどれだけ効率的に資本を使用して利益を上げているかを示す指標です。過去のデータによると、ROICが高い企業は競争力があり、その競争力が長期にわたって持続する傾向があります。従って、ROICが業界平均を上回る企業に投資することで、利益の低下リスクを減少させることができます。

セーフティー・マージンを確保した投資

それでも将来の業績は予測が難しく、不確実性がつきものです。そのため、業績の予測には幅を持たせ、最悪のシナリオでも利益が得られる株価で購入することが大切です。これを実現するためには、予測が外れた場合にも利益が得られるセーフティー・マージンを確保しておく必要があります。例えば、モンテカルロ・シミュレーションなどを用いて、将来の業績を確率的に予測したうえで、悲観的シナリオにおける本源的価値と現在の株価を比較して投資することで、リスクを最小限に抑えることができます。

企業の倒産リスク(信用リスク)の回避方法

信用リスク

企業が倒産するリスク、つまり信用リスクを避けるためには、投資対象企業の健全性を慎重に評価する必要があります。以下に、信用リスクを回避するための具体的な対応方法を紹介します。

バランスシートの分析

企業の信用リスクを避けるためには、まずバランスシートを分析して、企業の安全性を確認することが重要です。特に、流動比率が200%以上、株主資本比率が50%以上である企業は、財務的に健全とされます。これらの指標は、企業が短期的な債務を返済する能力や、自己資本を活用した安定した経営基盤を持っていることを示しています。

格付け機関による評価の確認

また、企業の信用リスクを避けるためには、Moody’sやS&Pなどの格付け機関が発行する信用格付けを確認することも効果的です。格付けが投資適格であれば、その企業の信用リスクは比較的低いとされています。例えば、投資適格格付け(BBB以上)を持つ企業は、倒産リスクが低いと判断されます。

キャッシュ・コンバージョン・サイクルの短い企業を選ぶ

企業の倒産リスクを減らすためには、売上を現金化するまでの時間、すなわちキャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)が短い企業を選ぶことも重要です。CCCが短い企業は、資金繰りがスムーズで、キャッシュフローの安定性が高いため、急な経済的な変動にも耐えることができます。

アルトマンZスコアの活用

さらに、企業の倒産確率を予測するための指標として、アルトマンZスコアを確認することが有効です。Zスコアは、企業が倒産する可能性を数値化したもので、一般的にZスコアが2.99以上であれば倒産のリスクが低いとされています。このスコアを参考にして、倒産リスクが低い企業に投資することで、信用リスクを最小限に抑えることができます。

まとめ

投資においては、リスクを完全に回避することはできませんが、適切なリスク管理を行うことで、リスクを最小限に抑えることができます。将来の利益が予想より下がるリスクには、強力なブランド力や高いROICを持つ企業を選び、セーフティーマージンを確保することで対応します。企業の倒産リスクに対しては、バランスシートや格付け、キャッシュ・コンバージョン・サイクル、アルトマンZスコアなどを活用して、信頼性の高い企業に投資することが重要です。

これらの戦略を取り入れることで、投資家はリスクを管理し、安定したリターンを得るための確かな基盤を築くことができます。

信用リスクを測る4つの財務指標(補足)

上述した信用リスクを測る指標について、より詳しく知りたい方は、下記の記事を参照にしてください。

流動比率(Current Ratio)とは?

流動比率は、企業の短期的な支払能力を測る指標で、企業が短期の負債を返済するためにどれだけの流動資産を保有しているかを示します。この指標は、企業の流動性リスクを評価するために非常に重要です。

計算式:

流動比率 = 流動資産 ➗ 流動負債

– 流動資産:1年以内に現金化可能な資産(例:現金、売掛金、在庫など)

– 流動負債:1年以内に支払う必要がある負債(例:短期借入金、買掛金など)

解説:

流動比率が高いほど、企業は短期的な支払能力に余裕があり、健全な財務状態にあると見なされます。

一般的に流動比率が100%以上であれば、短期負債を十分にカバーできるとされ、200%以上であれば非常に健全な状態とされます。ただし、流動比率が高すぎる場合は、資産が有効に活用されていない可能性もあるため、過剰に高いことは必ずしも良いことではありません。

投資家へのアドバイス:

流動比率が低すぎる(例えば、100%未満)の場合、企業は短期的な支払いに困難を抱えるリスクが高いため、注意が必要です。

株主資本比率(Equity Ratio)とは?

株主資本比率は、企業の財務基盤の健全性を測る指標で、自己資本(株主資本)が総資産に占める割合を示します。この比率が高いほど、企業は自己資本を基盤に安定した財務運営を行っていると評価されます。

計算式:

株主資本比率 = 株主資本 ➗ 総資産 x 100

– 株主資本:株主から提供された資本や累積利益など

– 総資産:企業が保有するすべての資産(固定資産+流動資産)

解説:

株主資本比率が高い企業は、外部からの借入金(負債)に依存せず、自己資本で運営されているため、財務的に安定しています。逆に、株主資本比率が低い企業は、負債に依存している可能性が高く、金融機関からの借入金が増えると、返済負担が企業に圧力をかけることになります。

目安:株主資本比率が50%を超えていれば、自己資本が総資産の半分以上を占めているため、安定した企業運営が期待できます。

投資家へのアドバイス:

株主資本比率が低い企業は、特に景気の悪化時に倒産リスクが増すため、負債が高い企業の投資は慎重に検討するべきです。

キャッシュ・コンバージョン・サイクル(Cash Conversion Cycle)とは?

キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)は、企業が売上を現金化するまでにかかる期間を示す指標です。この指標は、企業のキャッシュフロー管理や運転資本の効率性を把握するために使用されます。

計算式:

CCC = 在庫回転日数 + 売掛金回転日数 – 買掛金回転日数

– 在庫回転日数:在庫を売上に変えるのにかかる日数

– 売掛金回転日数:売掛金を現金化するまでの日数

– 買掛金回転日数:仕入れ代金を支払うまでの日数

解説:

キャッシュ・コンバージョン・サイクルが短い企業は、売上が現金に転換されるまでの期間が短いため、キャッシュフローが安定しており、資金繰りが良好であると評価されます。

逆に、CCCが長い企業は、現金化までの期間が長いため、資金繰りの問題を抱えている可能性があります。特に、長期的な資金繰りに問題がある場合、倒産リスクが増加します。

投資家へのアドバイス:

キャッシュ・コンバージョン・サイクルが短い企業は、流動性が高く、短期間で現金を手に入れやすいため、安定した財務運営が可能です。逆に、長期のCCCは注意が必要です。

アルトマンZスコア(Altman Z-Score)とは?

アルトマンZスコアは、企業の倒産リスクを予測するための指標で、財務データを基にして、企業が倒産する可能性を数値化します。このスコアは、特に信用リスクや倒産リスクを評価する際に役立ちます。

計算式:

Zスコア = 1.2 x Working Capital / Total Assets + 1.4 x Retained Earnings / Total Assets + 3.3 x EBIT / Total Assets + 0.6 x Market Value of Equity / Total Liabilities + 1.0 x Sales / Total Assets

– Working Capital:流動資産 – 流動負債

– Retained Earnings:内部留保(累積利益)

– EBIT:営業利益

– Market Value of Equity:時価総額(株価 × 発行済株式数)

– Total Liabilities:総負債

– Sales:売上高

解説:

Zスコアが3.0以上の場合、企業の倒産リスクは低いとされます。

Zスコアが1.8未満の場合、企業が倒産する可能性が高いとされています。

1.8~3.0の間では、倒産のリスクは中程度と評価されます。

投資家へのアドバイス:

Zスコアが低い企業には倒産リスクが高いことを示唆しており、投資には慎重を期す必要があります。倒産リスクを避けるためにも、Zスコアを事前に確認することが重要です。

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