企業に何十億ドルものバリュエーションが付く理由 ──企業価値評価における定性分析と定量分析 (ウィザードブックシリーズ)
本書は、企業のファンダメンタルを見極め、価値を評価したうえで株式投資を行う人に適しています。
著者はニューヨーク大学教授のアスワス・ダモダランであり、”数字”と”ストーリー”の両面から、企業価値評価のステップを、アマゾンやアリババ、ウーバーなどの事例を交えて丁寧に記しています。”数字”とは、バランスシートや損益計算書などの財務情報に基づいて企業価値を評価することであり、”ストーリー”とは、企業の成長の可能性を定性的に物語るものです。
本書の特徴は、この”数字”と”ストーリー”の両面からのアプローチであり、ダモダランは、「数字をともなわないストーリーはおとぎ話であり、ストーリーの裏付けのない数字は財務モデルの練習にすぎない」と述べています。
”数字”と”ストーリー”の両面から企業を評価することで、より企業を深く理解することができ、市場の株価の乱高下に惑わされず、自信を持って投資することができると思います。
ただし、この手法を適用するには、かなり綿密に企業のことを調査し、評価していかなければいけません。そのためには、一つの企業の評価にかなりの時間がかかることが予想されます。つまり何百もの企業に投資し、短期的に売買するような投資方法には向かず、少数の優れた企業に長期的に集中投資するウォーレン・バフェットのような投資手法に向いていると言えます。
企業に何十億ドルものバリュエーションが付く理由 ──企業価値評価における定性分析と定量分析 (ウィザードブックシリーズ)
