アップルの2022年決算から理論株価を算出

本記事では、Apple(Ticker:AAPL)の2022決算内容を含む直近5年間の財務実績を評価し、本質的価値(理論株価)を推定します。

売上の推移

まず2018年から2022年の5年間で、Appleは年率10.4%で売上を伸ばしました。

iPhoneなどの製品部門で8.8%、App Storeなどのサービス部門で18.4%伸ばしており、成長率ではサービス部門の伸び率が高くなっています。

次の円グラフでは、2017年と2022年の売上別構成比を示しています。

2022年においてもiPhoneの売上が50%を占めていますが、2017年に比べてサービス部門やアクセサリー部門(Apple watchやAir Podなど)の比率が向上していることが分かり、iPhone一本足からの脱却を図ろうとしている意図が読み取れます。

利益の推移

次に過去5年の純利益の推移を見ました。2018年から2022年の5年間で、Appleは年率13.8%で純利益を伸ばしています。ただし昨年度からの成長は5.4%にとどまり、コロナ需要の一巡、インフレの進行などにより、収益の向上にブレーキがかかっている様子が見て取れます。

直近5年間の営業利益率は21〜25%、またROIC(Return on Invested Capital)は19〜36%であり、非常に高い利益率を安定的に挙げていることから、ビジネスモデルが順調に推移していることが分かります。

また営業キャッシュフローから資本支出を差し引いたフリーキャッシュフローの推移を示します。Appleのビジネスモデルでは、少ない資本支出で大きな営業キャッシュフローを生み出しており、企業が自由に使えるフリーキャッシュフローが大きいことが特徴となります。

バランスシートの構成

Appleは、近年、自社株買いを積極的に実施しており、一株あたり利益の向上につながっています。ただしその跳ね返りとして負債が増加し、自己資本比率は過去最低の14%となっています。

また留保利益は急激に低下し、2022年はマイナスに突入しました。

このため、今後の自社株買いは当年の利益によるもののみになると推測され、一株あたり利益の向上はスローダウンすることが懸念されます。

理論株価の算出

次に2022年の財務実績をもとに、モンテカルロ・シミュレーションとディスカウント・キャッシュフロー法を用いて、理論株価を算出します。

まずモンテカルロ・シミュレーションを用いて、売上の予測を行いました。iPhoneなどの製品部門の成長率は、過去5年の年率平均8.8%から、若干低下する年率7%を想定、サービス部門の成長率は、過去5年の年率平均18.4%から、若干低下する年率15%を想定しました。

また売上成長率のばらつきについては、過去実績の標準偏差を用いました。この予測結果を、次のグラフで示します。

次にこれらの売上予測をもとに、営業利益とフリーキャッシュフロー(FCF)の予測を行いました。なおコストは過去実績の売上比率を用い、売上予測から差し引いています。

得られたFCFの予測結果から、ディスカウント・キャッシュフロー法を用いて現在の理論株価を算出した結果、中央値は$158となりました。2022年12月の株価は$130前後であり、理論株価に比べて、若干割安になっていることが分かります。

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