資産管理

基礎から始める資産運用(4):資産管理プランを作成しよう!その1

資産管理

ゴール設定と現状把握ができたら、いよいよ資産管理プランを作成していきましょう。

資産管理プランは家計全体の状況や、ゴール達成までの期間、ご自身のリスク許容度など、様々な角度から、戦略的に作成していくことが重要です。

資産管理プランの作成では、投資だけではなく負債の返済や貯蓄なども含めて、総合的に考えていきます。

資産管理プランを作成するためのフローチャート

次の図は資産運用プランを設定するためのフローチャートとなります。 最初にゴール設定、そして現状把握を行ない、達成見込みを確認します。 ここまでは、これまでのセクションで お話してきた内容となります。 

資産運用プラン・フローチャート

仮にこの達成見込みを確認することで 目標に到達することができるのであれば そちらを資産運用プランとして設定します。 ただ実際は、資産が将来赤字になってしまうなど、そのままでは目標到達ができない、という方も多いでしょう。

その場合には、資産運用の検討や支出の見直し、ゴールの見直しといった改善をして行くこととなります。 今回は資産運用の検討に絞って説明しましょう。

家計のバランスシート:構成ごとのプラン作成

まず家計のバランスシートを詳しく見ていきましょう。 大きく四つの順番で、バランスシートの構成ごとに計画を策定していきます。 一つ目は短期負債の整理、 二つ目は資産側の安全資産の確保、三つ目は長期負債の最適化、四つ目は金融資産の拡大、このような順番で考えることで資産・負債といった家計の全体像を把握した資産運用プランを策定することができます。

バランスシート整理

まずカードローンは完済しよう!

まず最初に取り組むべき短期負債の返済です。通常クレジットカードなどのローンは、かなり高い金利が設定されています。これらのカードローンにはリポ払いも含まれます。カードローンの金利は年率4から12%、リポ払の金利は年率15%になります。

カードローン金利

カードローンなどの短期負債がある場合、バランスシートが穴の空いたバケツ状態になっていますので、まずはこれらの返済に集中しましょう。

いざという時の安全資産を確保!

二つ目は資産側の安全資産の確保となります。安全資産は、生活費の数ヶ月分を貯金で確保することを目指します。通常の場合、安全資産は支出に回さず常にキープしておきます。あくまで、失業や予期せぬ支出など、いざというときの備えとなるものです。安全資産があることで、安心して資産運用や大きな支出を行うことができます。資産運用が失敗する原因の一つは、株価が暴落したときに、メンタル的にパニックになってしまうことが挙げられます。このような時に、しっかり安全資産が確保できていれば、落ち着いて対応することが可能となります。

目安として、独身者であれば少なくとも生活費の3か月分、 子供の居ないご夫婦であれば生活費の6ヶ月分、 小さなお子様のいるご家族であれば12ヶ月分の生活費を安全資産として確保しておくことをお勧めします。

繰り返しになりますが、このような安全資産を持つことで、突発的な支出や収入の低減などに対応ができますし、資産運用を行う際も、メンタル的に安定して取引をすることができます。

繰り上げ返済をする?しない?

次に三つ目、長期負債の対応となります。 長期負債の代表例である住宅ローンは、一般的には低い金利で借りることができます。ただし2024年に入って日銀も円安対応のため金利を引き上げる方向で検討されており、住宅金利も上昇傾向です。

住宅ローン金利推移

変動金利で借りている人は金利動向も踏まえて、繰り上げ返済をした方が良いかどうかを判断する必要があります。 

それでは住宅ローンを繰り上げ返済した方が良いケースを、三つあげます。

一つ目はローン残高が住宅時価の90%以上となっている場合です。

住宅ローン残高

一般に新築の住宅の時価は、中古になると下がります。 その理由の一つは、新築住宅には、建築業者や不動産業者の利益が加算されているからです。住宅を売却した場合、 売却時の費用は、売却額の約5%から7%必要となります。その場合ローン残高が住宅時価の90%以上ある場合は、住宅を売ったとしてもローンが残るリスクがあります。 このような事態から早めに脱出しておくために、ローン残高を90%以下に減らしておくことが大事なポイントとなります。 

二つ目は、ローンを完済する年齢が65歳以上のケースです。 一般に65歳以上になりますと、 収入が年金のみとなるケースが多いと思います。その時にローン返済が大きく残っている状態は、家計に大きなリスクを抱えることになります。この事態を避けるために、繰り上げ返済をして、ローンの返済完了時期を65歳未満にもっていくことが重要なポイントとなります。

三つ目は、住宅ローン金利と資産運用の予測リターンの比較です。 仮に資産運用を行う予定はない、または運用の予想リターンが住宅ローンより低い場合は、住宅ローンを返済した方がよいということが合理的な判断となります。

これら3つの視点から長期負債への対応を決めましょう。また注意すべきは、繰り上げ返済をしすぎて安全資産を放棄してしまわないようにすること、また住宅ローン金利よりも高い運用リターンが見込める場合は、資産運用にもお金を配分して行くこと、このような家計全体からの戦略的な視点が大事なポイントです。

ゴールを達成するために必要なリターンは?

次にゴールを達成するために必要なリターンを算出しましょう。

必要リターンを算出するためには、ゴール金額を定めたあと、現実的な初期投資額、年間(月間)積立て額、投資期間を設定します。そのうえでゴールを達成できる必要リターンを算出します。

<必要リターン計算ファイルはこちら>

なお、短期目標に関しては、元本を確保できる貯蓄等で対応します。というのは、短期的な期間でリスクをとった資産運用がプラスになるかどうかというのは、非常に不確定なためです。 2024年時点での日本の状況では、リターンは0%と置かざるを得ないでしょう。

中期目標に必要なリターンの算出

それでは中期の目標、5年以内がゴールとなるケースで、算出してみます。5年以内の場合、株式投資などリスクの高い運用は避け、0から5%程度のミドルリスク・ミドルリターンの運用を想定します。投資対象は債権や投資信託、外貨預金などになるでしょう。

事例として、以下のケースを想定しました。

ゴール:息子の大学入学金、および初年度学費100万円

運用期間:5年、初期投資:10万円、積立額:1万円/月

この場合、必要リターンは14.6%となり、ドルリスク・ミドルリターンの運用先では現実的ではありません。

それでは、初期投資を30万円にしてみましょう。この場合、必要リターンは3.5%となり、現実的なレンジに収まります。このケースではトータルの現金支出額は90万円、運用で10万円を稼いで、100万円を目指すことになります。

必要リターン:中期

長期目標に必要なリターンの算出

次に長期の運用について、ケース・スタディをしてみます。長期運用では、5から10%といった比較的高めのリターンを目指して行きます。 また仮に10%以上のリターンが必要な場合は、 かなりのリスクを取らないといけないため、状況に応じて目標値や積立額、ゴールの優先度等を見直して行くことが必要となります。

ゴール:住宅購入資金(頭金)1000万円

運用期間:10年、初期投資:100万円、積立額:3万円/月

この場合、必要リターンは13%となり、達成は難しいかもしれません。

それでは住宅購入のタイミングを延期し、運用期間を12年にしてみましょう。この場合、必要リターンは8.9%となり、現実的なレンジに収まってきます。このケースではトータルの現金支出額は532万円、運用で470万円を稼いで、1000万円を目指すことになります。

必要リターン:長期

この事例のように、早いタイミングから運用することは大きなアドバンテージになることが分かります。

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